冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「あの、さっきから私ばかり、食べているんですが、社長は食べないんですか?」
「ん?ああ。気にするな。俺はいいから好きなだけ食べろ。デザートもあるから」
私だけが食べて社長は何も食べていない。お腹が空いてないのかな。でも、こんなに美味しいし、一人で食べるよりは二人で食べて、「美味しい」と言い合いたい。
板前さんが出してくれた、タレのよくかかった穴子のお寿司を私は、自分の口ではなく、社長の口に運んだ。
「本当に美味しいですよ、食べてみてください」
「・・・本当に変わっているな、お前」
最初は渋っていたし、板前さんですらなぜかハラハラしていたけれど、私の勝ち。社長は、大きく口を開けて、お寿司を頬張ってくれた。
それがなんだか嬉しくて、笑顔でいると、社長が板前さんにもっと握ってくれとおかわりまで要求してくれた。
「社長のあんな姿を見たのは、初めてですよ」
社長が少し席を外すと言って、携帯を手に外に出ると、それまで黙っていた板前さんが私に話しかけてきた。私はというと、社長と堪能するほどお寿司を食べた後だというのに、まだデザートのイチゴのたっぷり入ったゼリーに舌鼓を打っている。
「あんな姿?」
「ええ。まず、お召し上がりになったことに驚きました。社長はご贔屓にはしてくださっているのですが、召し上がることはないですし、まず、あんな楽しそうにお話をされることはないです。すごく嬉しそうでよほどあなたとの食事が楽しかったんでしょうね」
「あの・・・一つ聞いてもいいですか?」
「ん?ああ。気にするな。俺はいいから好きなだけ食べろ。デザートもあるから」
私だけが食べて社長は何も食べていない。お腹が空いてないのかな。でも、こんなに美味しいし、一人で食べるよりは二人で食べて、「美味しい」と言い合いたい。
板前さんが出してくれた、タレのよくかかった穴子のお寿司を私は、自分の口ではなく、社長の口に運んだ。
「本当に美味しいですよ、食べてみてください」
「・・・本当に変わっているな、お前」
最初は渋っていたし、板前さんですらなぜかハラハラしていたけれど、私の勝ち。社長は、大きく口を開けて、お寿司を頬張ってくれた。
それがなんだか嬉しくて、笑顔でいると、社長が板前さんにもっと握ってくれとおかわりまで要求してくれた。
「社長のあんな姿を見たのは、初めてですよ」
社長が少し席を外すと言って、携帯を手に外に出ると、それまで黙っていた板前さんが私に話しかけてきた。私はというと、社長と堪能するほどお寿司を食べた後だというのに、まだデザートのイチゴのたっぷり入ったゼリーに舌鼓を打っている。
「あんな姿?」
「ええ。まず、お召し上がりになったことに驚きました。社長はご贔屓にはしてくださっているのですが、召し上がることはないですし、まず、あんな楽しそうにお話をされることはないです。すごく嬉しそうでよほどあなたとの食事が楽しかったんでしょうね」
「あの・・・一つ聞いてもいいですか?」