冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
ドアが開かれ、助手席にフワリと乗せられた。少しだけ見えた横顔。でも、一瞬でドアは閉じられてしまった。
どうしよう。無抵抗のまま、全然知らない男性の車に乗せられてしまった。もし、あの人がすごく怖い人で、私、どこかに連れて行かれたら。
でも、そう思っても、右手は痛いし、頭が働かず、逃げることもできない。焦る私に、聞こえてきたのは会話らしき声。
男性がどうやら誰かと通話をしているみたいで、「緊急を要するからすぐに診てほしい」の言葉に、少しだけ安堵した。
「本当に、すみません。知り合いと連絡が取れたので今すぐ、病院に向かいますね」
運転席のドアが開かれ、男性が車内に入ってきた。その瞬間、私は息を飲んだ。
芸能人かと思うほどのオーラを纏い、キリッと整えられた眉。目は、アーモンド型の二重で、鼻筋はスーッと通っていて、少し薄めの唇。
高級そうなスーツを着こなしたこの男性を、私は知っていた。
そう、この人は、私が愛してやまないジョルフェムの社長、一ノ瀬諒(いちのせりょう)だったんだ。
どうしよう。無抵抗のまま、全然知らない男性の車に乗せられてしまった。もし、あの人がすごく怖い人で、私、どこかに連れて行かれたら。
でも、そう思っても、右手は痛いし、頭が働かず、逃げることもできない。焦る私に、聞こえてきたのは会話らしき声。
男性がどうやら誰かと通話をしているみたいで、「緊急を要するからすぐに診てほしい」の言葉に、少しだけ安堵した。
「本当に、すみません。知り合いと連絡が取れたので今すぐ、病院に向かいますね」
運転席のドアが開かれ、男性が車内に入ってきた。その瞬間、私は息を飲んだ。
芸能人かと思うほどのオーラを纏い、キリッと整えられた眉。目は、アーモンド型の二重で、鼻筋はスーッと通っていて、少し薄めの唇。
高級そうなスーツを着こなしたこの男性を、私は知っていた。
そう、この人は、私が愛してやまないジョルフェムの社長、一ノ瀬諒(いちのせりょう)だったんだ。