冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「どうした?急に黙り込んで」
いろいろと頭の中で考え込んでいると、社長が路肩に車を停めて、心配そうに私に声を掛けてくれた。一度、これでいいのかと疑問に思うとずっと堂々巡りを繰り返してしまうのが私の悪い癖。
「やっぱり、お世話になるのは悪い気がしてきて。昨日からたくさん社長に夢を見せていただいて、それなのにこれからお家でお世話になるなんて申し訳なくて」
「バカだな、みぃは。天下のジョルフェムの社長を顎で使える権利があるのに」
「あ、顎で使うなんてとんでもないです!」
社長を顎で使うなんて、天罰が下る。それにそんなこと絶対にできるわけがない。そんな恐ろしいことと身震いすると、社長がまたクスクスと笑った。
「深く考えるなと言っただろ?それに俺は、楽しくて仕方ないんだ。自分の人生なんて決められたものに従うだけだと思ってた。だからこっそり飼ってた猫も結局大事にできなかった」
まただ。少し伏し目がちにトーンを落として思い出を語る寂しそうな横顔。社長のあの表情は私の胸を打つ。
母性本能なんてそんなもの社長に対して抱くなんて何様だろう。でも、頭を撫でてあげたくなる。
いろいろと頭の中で考え込んでいると、社長が路肩に車を停めて、心配そうに私に声を掛けてくれた。一度、これでいいのかと疑問に思うとずっと堂々巡りを繰り返してしまうのが私の悪い癖。
「やっぱり、お世話になるのは悪い気がしてきて。昨日からたくさん社長に夢を見せていただいて、それなのにこれからお家でお世話になるなんて申し訳なくて」
「バカだな、みぃは。天下のジョルフェムの社長を顎で使える権利があるのに」
「あ、顎で使うなんてとんでもないです!」
社長を顎で使うなんて、天罰が下る。それにそんなこと絶対にできるわけがない。そんな恐ろしいことと身震いすると、社長がまたクスクスと笑った。
「深く考えるなと言っただろ?それに俺は、楽しくて仕方ないんだ。自分の人生なんて決められたものに従うだけだと思ってた。だからこっそり飼ってた猫も結局大事にできなかった」
まただ。少し伏し目がちにトーンを落として思い出を語る寂しそうな横顔。社長のあの表情は私の胸を打つ。
母性本能なんてそんなもの社長に対して抱くなんて何様だろう。でも、頭を撫でてあげたくなる。