冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「お前、本当そんな反応ばかりしてたら、いじめるぞ」


「いじめる?」

「みぃ、今日俺のこと何回『社長』って呼んだ?」

意地悪な笑みを浮かべ、私が逃げないように両肩を掴んだ社長は『ペナルティだな』と私に顔を近づける。


丹精で綺麗な顔が少しずつ、少しずつ近づいてきて思わず力強く目を閉じると「今日は俺から」と両頬、おでこ、そして鼻の頭にキスを落とした。


「ここは、また今度な。時間はたっぷりあるからゆっくり教えてやるよ」


トンと触れられた唇。自分でもあまり触れることのない場所にそっと触れられて心臓の音がまたさっきよりも大きくなった気がした。こんなんで私身が持つのだろうか。


「ピザ、こんなにうまかったんだな。俺、本当に損してた」


「たまに食べるとおいしいんですよね」


私のドキドキが収まる前に届いたピザ。私もピザ、久しぶりだ。大口を開けて頬張ると一瞬びっくりしたような顔した社長が笑顔になる瞬間が見れた。
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