冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「・・・お前を見てると猫のみぃを思い出して何かしてやりたくなるんだ。結局、看護も出来てないし、猫のみぃには出来なかったことをしてやりたくなる」


猫のみぃを二回も言って、強調されてしまうとつい、ほだされてしまう。とはいえ体を洗ってもらうのだけは何があっても絶対に断固拒否。恥ずかしいを通り越して、恐ろしい。


でも、猫のみぃちゃんに出来なかった後悔を私で補えるのなら何かしら協力はしたい。


「あの、さすがに体を洗ってもらうということは私も猫ではないので恥ずかしいですし、無理なんですがそれ以外でみぃちゃんに出来なくて後悔していることがあれば、協力しますけど」


シュンと項垂れていたように見えたのは気のせいだったのかな?私の言葉にパッと目を輝かせた社長は、その言葉を待っていましたと言わんばかりに食いついてきた。


「本当か?だったら夜は抱きしめて眠らせてほしい。夜と朝にはおやすみとおはようのキスをしたい。その願望をお前が叶えてくれるなんて本当に嬉しいよ」


ん??猫だよね?社長はよっぽどの猫好き?普通猫を抱きしめて眠ったり、キスをしたいと思うもの?


私はそんな動物愛好家ではないのでその感覚は理解出来ないのだけれど、それが猫好きあるある?


「約束だぞ。じゃあ風呂に入ってこい」
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