冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
昔からやたらと口うるさくて、図体もデカイ。社長とは比べるのも失礼なくらいな幼馴染だけど無下にはできない。きっとここまでも自分の店のトラックで来たんだろうな。


「おい、お前。誰だ!」


そんな言い合いをしていると、いつまでも戻って来ない私を心配してくれてか、社長が来てグイッと私の肩を引き寄せた。


「お前か。俺の深月を監禁してんのは!」


「・・・俺の深月?」


「と、とりあえずこんな時間ですし、どこか入って話しましょう。涼、いいよね?」


と言ってもこの近辺のカフェはもうどこも閉まっていて、行くところもないので涼について来てもらい、社長の家で話すことになった。


高級車の後ろを軽トラックがついてくるとい不思議な状況だったけれど、やむを得なかった。涼は頭に血がのぼると空気も読めないし、すぐに怒鳴りつける。


閉まっているとはいえ、どこで誰が見ているかわからないし、社長には申し訳ないけれどとにかく一度落ち着かせるしかない。
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