冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「ちょ、切っちゃったの?」
「どうしよう、三宅さん。私、余計なこと言っちゃったかもしれません」
また私の手の中で震える携帯。それでももう出れるわけがない。社長、どう思っただろう?あんな風に突然言われて。
「もう、桜木が出ないなら私が出るから」
「ダ、ダメです。三宅さん!」
「もしもし。私桜木さんの上司の三宅と申します。桜木さん今、焼き鳥屋の華にいるんで迎えに来てもらえますか?はい。お待ちしてます。ありがとうございます」
三宅さんは強引なところがある。必死で手を伸ばして私が携帯を取り返そうとしているのに絶対に返さないと言わんばかりに無理やり社長と約束を取り付けた。
声ではさすがにバレていないとは思うけれど、ここに社長が来れば三宅さんだけじゃない。他の人ですら気がつくに決まってる。
項垂れる私を横目に頼んでいた焼き鳥を頬張る三宅さん。侮った。失敗した。もしかしたら一番相談してはいけない人に相談してしまったかもしれない。
「桜木も食べなよ」と口の中に串から外して焼き鳥を放り込まれた。焼き鳥は美味しい。少しだけ冷めているけれど味がしっかりついていて。でも出来るならもっと美味しいと思えるときに食べたかった。
「どうしよう、三宅さん。私、余計なこと言っちゃったかもしれません」
また私の手の中で震える携帯。それでももう出れるわけがない。社長、どう思っただろう?あんな風に突然言われて。
「もう、桜木が出ないなら私が出るから」
「ダ、ダメです。三宅さん!」
「もしもし。私桜木さんの上司の三宅と申します。桜木さん今、焼き鳥屋の華にいるんで迎えに来てもらえますか?はい。お待ちしてます。ありがとうございます」
三宅さんは強引なところがある。必死で手を伸ばして私が携帯を取り返そうとしているのに絶対に返さないと言わんばかりに無理やり社長と約束を取り付けた。
声ではさすがにバレていないとは思うけれど、ここに社長が来れば三宅さんだけじゃない。他の人ですら気がつくに決まってる。
項垂れる私を横目に頼んでいた焼き鳥を頬張る三宅さん。侮った。失敗した。もしかしたら一番相談してはいけない人に相談してしまったかもしれない。
「桜木も食べなよ」と口の中に串から外して焼き鳥を放り込まれた。焼き鳥は美味しい。少しだけ冷めているけれど味がしっかりついていて。でも出来るならもっと美味しいと思えるときに食べたかった。