冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
キスをしたシンデレラ
思えば、ずっと不思議だった。
普通、社長というと秘書がついているイメージだし、会社の社長室にいて、なかなか自由なんてない。
それなのに、一ノ瀬社長は私を送迎してくれたり、あまり外には出ていないイメージ。スーツを着ている姿を見たのも展示会の日と、あの事故に遭ったときだけ。
だとするとあの人は、やっぱり本当の社長じゃない?気づかないようにしていたことを指摘されてしまった私は考えないようにしようと思えば思うほど気になって仕方がない。
でも、社長がきっと私の辞令が出た日に全て話してくれるはず。だから今は無理にでも気にならない素振りをするしかないと思った。
「深月さん、来週ですよね?期間限定ショップの打ち合わせ」
「あっ、そうだね。三宅さん、期間限定ショップは私とみゆちゃん担当ですよね?」
「そうだ、もうそんな時期なのね。引き継ぎでバタバタしてたわ。桜木、中西、よろしくね」
七月上旬から中旬までの二週間、私たち、路面店で働くジョルフェムのショップ店員は、ここから一時間の場所にあるファッションビル、EMISIAに期間限定ショップをオープンする。
EMISIAのバーゲン時期と重なることとあまり路面店に入りにくい人たちにも手軽に買ってもらえると一石二鳥だったりもする。
普通、社長というと秘書がついているイメージだし、会社の社長室にいて、なかなか自由なんてない。
それなのに、一ノ瀬社長は私を送迎してくれたり、あまり外には出ていないイメージ。スーツを着ている姿を見たのも展示会の日と、あの事故に遭ったときだけ。
だとするとあの人は、やっぱり本当の社長じゃない?気づかないようにしていたことを指摘されてしまった私は考えないようにしようと思えば思うほど気になって仕方がない。
でも、社長がきっと私の辞令が出た日に全て話してくれるはず。だから今は無理にでも気にならない素振りをするしかないと思った。
「深月さん、来週ですよね?期間限定ショップの打ち合わせ」
「あっ、そうだね。三宅さん、期間限定ショップは私とみゆちゃん担当ですよね?」
「そうだ、もうそんな時期なのね。引き継ぎでバタバタしてたわ。桜木、中西、よろしくね」
七月上旬から中旬までの二週間、私たち、路面店で働くジョルフェムのショップ店員は、ここから一時間の場所にあるファッションビル、EMISIAに期間限定ショップをオープンする。
EMISIAのバーゲン時期と重なることとあまり路面店に入りにくい人たちにも手軽に買ってもらえると一石二鳥だったりもする。