遠まわりの糸
花火の翌日から、1週間の強化合宿。
合宿中も、俺は普段と違っていたらしく。
いちいち洋介やカオリから指摘された。
スマホをチェックする回数が多いとか。
やたらとやる気があったりとか。
まあ確かに、俺は葵と会えない1週間、葵のことしか考えてなかった。
意識してなくても、ふと葵のことを考えちゃうんだよな。
休憩するたびに、葵がいま何してるか想像したり。
雨が降ると、夏期講習に行ってる葵が濡れてないか気になったり。
まるで、恋愛マンガみたいになってる自分に驚く。
合宿最終日の昼は、バーベキューをやるのが恒例で。
俺は肉を焼きながら、葵に早く会いたいとしか考えてなかった。
「サク、焦げてる!」
「えっ、あっ、悪い悪い」
「ちょっとサク、いくら今日帰れるからって、気を抜かないでよね!」
「・・・すいません」
「しょーがねーよなサク、まだつきあい始めたばっかだもんな」
「からかうなよ、洋介」
そんなやりとりもありつつバーベキューを楽しんで、後片づけが終わった頃。
「サク、ちょっといい?」
カオリに呼び出された。
俺は、みんなから少し離れた木陰に連れてこられた。
「なんだよ?」
「まだ、間に合うかもしれないから言うけど・・・」
「なに?」
カオリは何を言おうとしてるんだか、見当もつかない。
「私、前に告白してからもずっと、サクのことが好きなの」
人間、ビックリしすぎると、何も言えないんだってわかった。
「サクが泉川さんのこと好きだってわかってるよ。
わかってるけど、でもどうしても、気持ちをおさえられなくて」
合宿中も、俺は普段と違っていたらしく。
いちいち洋介やカオリから指摘された。
スマホをチェックする回数が多いとか。
やたらとやる気があったりとか。
まあ確かに、俺は葵と会えない1週間、葵のことしか考えてなかった。
意識してなくても、ふと葵のことを考えちゃうんだよな。
休憩するたびに、葵がいま何してるか想像したり。
雨が降ると、夏期講習に行ってる葵が濡れてないか気になったり。
まるで、恋愛マンガみたいになってる自分に驚く。
合宿最終日の昼は、バーベキューをやるのが恒例で。
俺は肉を焼きながら、葵に早く会いたいとしか考えてなかった。
「サク、焦げてる!」
「えっ、あっ、悪い悪い」
「ちょっとサク、いくら今日帰れるからって、気を抜かないでよね!」
「・・・すいません」
「しょーがねーよなサク、まだつきあい始めたばっかだもんな」
「からかうなよ、洋介」
そんなやりとりもありつつバーベキューを楽しんで、後片づけが終わった頃。
「サク、ちょっといい?」
カオリに呼び出された。
俺は、みんなから少し離れた木陰に連れてこられた。
「なんだよ?」
「まだ、間に合うかもしれないから言うけど・・・」
「なに?」
カオリは何を言おうとしてるんだか、見当もつかない。
「私、前に告白してからもずっと、サクのことが好きなの」
人間、ビックリしすぎると、何も言えないんだってわかった。
「サクが泉川さんのこと好きだってわかってるよ。
わかってるけど、でもどうしても、気持ちをおさえられなくて」