遠まわりの糸
「かわいーじゃん、年下?」
「違う、1コ上。
ラーメン屋でお互い一人で並んでて、しゃべったのがキッカケ」
「すげー、ラーメン屋の出会い」
「お前らはどーなんだよ?」
急に照れた奏にうながされて、俺も朱里との写真を見せた。
「サクもようやく、高校の彼女から卒業したんだな」
「まあな」
「どこで知り合ったんだよ」
「会社の同期」
「おー、社内恋愛、なんかエロい」
「亮太は?」
「俺は、後輩の同業者」
「新人教師に手を出すなんて」
「後輩なんだけど、同い年なんだよ。
ワケありで、大学入り直しててさ」
亮太が差し出したスマホの写真を見た瞬間、驚きすぎて何も言えなかった。
亮太の隣で笑っていたのは、黒い髪を長く伸ばして、キャバ嬢の面影を消し去った葵だった。
「美人だな、頭も良さそうだし」
「葵ちゃん、俺なんかよりずっとしっかりしてんだよ」
亮太も奏も、黙ったままの俺を不思議そうに見ていた。
「サク、どうかした?」
「・・・あ、いや、別に」
「なんだよサク、葵ちゃんに惚れんなよ」
「ちげーよ」
「3人とも彼女いるんだな、青春を謳歌してんな俺たち」
「リア充してんな」
「奏の彼女は何してんの?」
「歯科衛生士」
「やべー白衣か、制服っていいよなー」
奏と亮太が二人で盛り上がるなか、俺は目の前の現実を受け止められずにいた。
葵が、亮太の彼女?
なんでよりによって、友達の彼女として俺の前に現れるんだよ。
こんな現実を知るくらいなら、どこで何してるか知らない方がよかったのに。
「違う、1コ上。
ラーメン屋でお互い一人で並んでて、しゃべったのがキッカケ」
「すげー、ラーメン屋の出会い」
「お前らはどーなんだよ?」
急に照れた奏にうながされて、俺も朱里との写真を見せた。
「サクもようやく、高校の彼女から卒業したんだな」
「まあな」
「どこで知り合ったんだよ」
「会社の同期」
「おー、社内恋愛、なんかエロい」
「亮太は?」
「俺は、後輩の同業者」
「新人教師に手を出すなんて」
「後輩なんだけど、同い年なんだよ。
ワケありで、大学入り直しててさ」
亮太が差し出したスマホの写真を見た瞬間、驚きすぎて何も言えなかった。
亮太の隣で笑っていたのは、黒い髪を長く伸ばして、キャバ嬢の面影を消し去った葵だった。
「美人だな、頭も良さそうだし」
「葵ちゃん、俺なんかよりずっとしっかりしてんだよ」
亮太も奏も、黙ったままの俺を不思議そうに見ていた。
「サク、どうかした?」
「・・・あ、いや、別に」
「なんだよサク、葵ちゃんに惚れんなよ」
「ちげーよ」
「3人とも彼女いるんだな、青春を謳歌してんな俺たち」
「リア充してんな」
「奏の彼女は何してんの?」
「歯科衛生士」
「やべー白衣か、制服っていいよなー」
奏と亮太が二人で盛り上がるなか、俺は目の前の現実を受け止められずにいた。
葵が、亮太の彼女?
なんでよりによって、友達の彼女として俺の前に現れるんだよ。
こんな現実を知るくらいなら、どこで何してるか知らない方がよかったのに。