遠まわりの糸
葵と、初めて二人で過ごしたクリスマス。
教会でイルミネーションを見て、食事して。
今日は、あの日と同じように過ごすって決めていた。
教会で待っていると、葵が走ってきた。
「お待たせ」
息を少しはずませて現れた葵は、高校生の時よりも大人びて、きれいになった。
「葵、こっち」
どちらからともなく手をつないで、イルミネーションを満喫した。
当時は緊張して入ったレストランも、今の年齢になったらなんてことない。
食事とワインを楽しんで、ゆっくり時間を過ごした。
このあと、俺は思い出の公園でプロポーズしようと思っていた。
レストランを出る頃にはガチガチに緊張してて。
「葵、あの公園行かない?」
って誘った声も、情けないことにうわずっていた。
葵はいま一人暮らしで、俺は実家暮らし。
たまに葵のアパートで朝まで過ごす。
二人で築いてきた時間を積み重ねて、今日を迎える。
「葵」
「うん?」
「俺が、キンモクセイがある家を30年ローンで建てるから、一緒に暮らそう」
「そうなったらいいね」
・・・俺のプロポーズ、通じてない?
ただの、夢を語る男になってる?
やべっ、もっとストレートに言わなきゃ伝わらねーのか?
俺は、パニックになって、無言になっちまったけど。
勇気を振り絞り、葵の顔をみつめた。
教会でイルミネーションを見て、食事して。
今日は、あの日と同じように過ごすって決めていた。
教会で待っていると、葵が走ってきた。
「お待たせ」
息を少しはずませて現れた葵は、高校生の時よりも大人びて、きれいになった。
「葵、こっち」
どちらからともなく手をつないで、イルミネーションを満喫した。
当時は緊張して入ったレストランも、今の年齢になったらなんてことない。
食事とワインを楽しんで、ゆっくり時間を過ごした。
このあと、俺は思い出の公園でプロポーズしようと思っていた。
レストランを出る頃にはガチガチに緊張してて。
「葵、あの公園行かない?」
って誘った声も、情けないことにうわずっていた。
葵はいま一人暮らしで、俺は実家暮らし。
たまに葵のアパートで朝まで過ごす。
二人で築いてきた時間を積み重ねて、今日を迎える。
「葵」
「うん?」
「俺が、キンモクセイがある家を30年ローンで建てるから、一緒に暮らそう」
「そうなったらいいね」
・・・俺のプロポーズ、通じてない?
ただの、夢を語る男になってる?
やべっ、もっとストレートに言わなきゃ伝わらねーのか?
俺は、パニックになって、無言になっちまったけど。
勇気を振り絞り、葵の顔をみつめた。