姫色-Hime*iro-
*苦手分野
次の日――
ガラッ
ガシッ
教室に着いた途端、お嬢様に何かがしがみついてきた。
「な、何スかそれ。」
て、いうか生き物か?
「へ?あ、この子のこと?」
あ…人間でしたか。
「桜庭薫子ちゃん。」
そうお嬢様が説明した女の子は、ホントに高2か?と疑うくらいに小さい。
間違えて受験したのではないだろうか。いやいや、初対面でソレは失礼か。
そう思って眺めていると、その小さな女の子…えーと…桜庭さん、だっけか…が、口を開いた。
「昨日の転校生か?ウサギ。」
ウサギ?
キョロキョロと辺りを見渡しても、もちろんウサギなんていない。そりゃそうだ。
俺は別にウサギでも何でもないのだけれど、一応返事をしておく。
「あ、はいそうです。宮部なぎさです。
どうぞよろしく。」
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