姫色-Hime*iro-


そう言い終わった後も、桜庭さんはじっと此方を見ている。




おめーはウサギじゃねーよ、とでも言いたいのだろうか?


いや、そんなこと言われても困りますが。



「別に敬語じゃなくてもよいぞ?

ウサギの友人は私の友人じゃ。

仲良くしようぞ。」



あぁ、ウサギってお嬢様のことか。


それにしても桜庭さん、随分と古風な喋り方だな。



じゃなくて…



今まで執事として生きてきた俺に、と言えば大袈裟だが、今更敬語をやめろというのは無理な話だ。



それに、女言葉なんて…



俺だってそこまでなりきるつもりはない。




これ(女装)は、趣味でも特技でもなく、あくまで"任務"なのだ。




どうしようか…と、考えを巡らせていると…



「あ、あぁ、なぎさはいつもこういう話し方なのよ。

ねえ?」



「あ、はい。」



ナイスフォローです、お嬢様。



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