姫色-Hime*iro-


と、そこへ見るからにおとなしそうな子がやって来た。



「おはよう、ユヒ、薫子ちゃん。」



ユヒ…あぁ、お嬢様のことか。



それにしても二人とも、呼び方くらい統一したらどうだろうか?



「この子は桃井邑子ちゃん。」


「宮部なぎさです。

どうぞよろしく。」


「あ、こちらこそよろしくお願いしますっっ!!」



素直な子だなぁ、お嬢様と違って…



「何か言った?」



いえ、何も。




そうこうしているうちに、チャイムが鳴って先生がやってきた。



「えー、欠席は…大城だけか。」



大城さん…


嫌でも昨日のことが思い出される。




何故か大城さんには全てを見透かされている気がした。




気のせいであることを願おう。




そうこう考えているうちに、先生は欠席・遅刻等を確認し終わったらしく、話し始めた。



「えー、来週に実力テストを行う。」



その言葉で、教室がざわつき始める。




俺もびっくりだ。テスト?

聞いてませんよ、そんなこと。



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