姫色-Hime*iro-
始業式も無事に終わり、ついにホームルームの時間がやってきた。
「えー、今日はみんなに転校生を紹介する。
宮部さん、どうぞ。」
そう言われて、教室に入る。
教室には当然のことながらお嬢様の姿もある。
「宮部なぎさです。どうぞよろしく。」
俺はごく一般な挨拶をした。
ホント一般的だな。
「じゃあ宮部さんの席は…
卯崎の隣な。」
お嬢様の隣、か。
いいのやら悪いのやら…
そんなこんなでホームルームも終わり、帰り支度をしていると、誰かが話しかけてきた。
「珍しいなぁ、こんな時期に転校生らぁて。」
「はぁ…」
「あ、別に疑っちょるわけやないよ。
宮部さん、やっけ?
ウチ、大城撫子。仲ようしてやぁ。」
「あ、こちらこそ。」
すると、ドア近くでお嬢様の声がした。
「なぎさー、帰るわよー!!」
「すぐ行きます!!
じゃあ大城さん、また明日。」
なぎさ達がいなくなった教室――
『そうかぁ、卯崎由妃の知り合いかぁ。
ちょいと調べてみる必要がありそうやなぁ。』
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