姫色-Hime*iro-
一方、そんなことは知らないなぎさ達は帰路についていた。
「どうだった?学校。」
何故かいつもより上機嫌なお嬢様。
「お嬢様はどうでした?」
「へ、私?
べ、別にっっ!!
なぎさと通えて嬉しいとかそんなこと、思ってないわよ!!」
聞いてませんが。
「てゆーかどうして私にふるのよ!!
質問してるのは私よ?」
「うーん…まぁ思ってたのよりはよかった…かな?」
そう、と、お嬢様はにっこりほほえんた。
そんなお嬢様を見て思う。
天職だな、と。
そんなことを思いながら歩いていると、少し前を歩いていたお嬢様が足を止めた。
「?お嬢様?」
「…」
彼女の視線の先には、たのしそうな親子連れ。
…そういえば、お嬢様には母親がおられないんだったな。
それに、あんなに広い家にいつも一人。
多分、学校でも…
そうか、当主はこのことを気にかけていたんだな…。
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