理由
ケータイは、2日の20時と表示していた。

孝利は日に何度かメールや電話をくれた。

私はなんと答えたのか、あまりはっきりと記憶していない。たわいのないやりとりだったと思う。

明日、孝利を東京駅まで迎えに行く。

それに気付くと、やっとあの夢から本当に覚めた気がした。

「明日、東京駅には何時に着くの?」
急いでメールを送ると、びっくりするほど早く返事が帰ってきた。

「何回言ったら覚えるんだよー。11時8分です。よろしくね。」

どうやら何度も聞いているらしい。

夢から覚めた私は、急に楽しくなってきた。

たかが4日会わなかっただけなのに、何十年ぶりに会うような気がした。

今日はゆっくりお風呂に入ろう。後でネイルも整えて、何を着て行くかじっくり考えよう。


久々に、幸せな眠りに着く事ができた。


< 15 / 19 >

この作品をシェア

pagetop