理由
孝利が浮気しているかもだとか、自分は遊ばれているだけなんじゃないかとか、そういう事は全く考えなくなった。
そんなことを心配していたのが馬鹿らしくなった。

一体、あの頃の私は病気だったんじゃないかと思う程だ。

あっさりと孝利を信じるようになった。

孝利が帰郷した時の、輪郭のはっきりとしない不安は、今は完全にない。

孝利に愛されているという大きな器の中で、私は自由に生きている。

孝利と私は相変わらず結婚をするつもりも同棲をするつもりもない。

それは、一緒に暮らすエネルギーを仕事から奪い取りたくないという理由よりも、ずっと新鮮に恋人でいたいという理由に変わった。


孝利は、「次は必ず、お前だけだからな。」と、夢で言っていた。
きっとそれを果たすために、ずっと恋人であってくれるのだろう。


冬も終わりに近づいて、日が長くなってきた。
今日は一週間ぶりに孝利に会う。

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