毎日だって好きって言うよ。
『悠太!下駄箱で待っててね!』
教室を出て行ってしまう先輩に、岸中先輩が声をかける。
そして、岸中先輩は私を振り返ると、不敵な笑みを浮かべて、
『あんたさ?悠太にフラれても追っ掛け回してるって有名だよね』
そう言って、ゆっくりと近付いてきて、壁際まで追い込んでくる。
『悠太があんたなんか相手にすると思ってんの?悠太があんたに本気になるって?』
岸中先輩のキツイ香水の匂いが鼻を掠める。
それと同時に…
––––––––ガンッ!
岸中先輩の足が、私の後ろの壁に突き刺さった。
『おいっ!あんたっ…!』
友野が止めようとするが、岸中先輩がひるむ様子はない。
『そんなわけないでしょ。いい加減フラれてんだからさ、悠太に近付くなよ。
もし今後まだ悠太を追っ掛け回すつもりなら…–––』
岸中先輩の唇が、私の耳の側までやってきて…
『あたし達、あんたに何するか分かんないよ?』
ドロッとした低い声で、そう囁いた。
–––––––––––
「あたし“達”って…」
「多分、教室で悠太先輩を取り巻いてた人達だと思う。その取り巻きの中に岸中先輩もいたし…」