毎日だって好きって言うよ。


「うん…。ありがと、友野。

さ!今日中にデザイン仕上げちゃお!」



友野、ありがとう。


ちゃんと分かってるよ。


だけど私には、どうやったって先輩を嫌いになんてなれないんだ。


何もせずウジウジしているくらいなら、何かして傷付く方がまし。


この先どんなに傷付こうとも、どんなに辛いことが待っていようとも、


あの日一歩を踏み出させてくれた先輩は、


私にとって、ずっとずっとただ一人のヒーローだから––––






悠太先輩と岸中先輩は、次の日もその次の日も居残り作業に参加することはなかった。






「さぁ。原本は完成だ!!こっからですな。友野さん。」


原本を作るまではいい。


デザインを考えたりする作業は楽しいし、割とそういうのは私の得意分野みたいで、

友野と2人で考えても、スムーズに事は進んだ。


私達が帰った後、大原先生も手を加えてくれているみたいで、今日作業を始める段階で大方原本が出来上がっていたのには驚いた。


そのお陰もあってか、悠太先輩も岸中先輩もいない中、あまりにサクサク事が進んでいくもんだから、

友野と2人でも意外にいけるかも!?なんて勘違いしそうになるくらいだ。






だがしかし!


忘れちゃいけない。


問題はここからである。
< 108 / 364 >

この作品をシェア

pagetop