毎日だって好きって言うよ。

見れば、私の身体には、さっきまで先輩が羽織っていたダッフルコートが掛かっていて…


「先輩っ…これっ!」


「着ときな。ピヨちゃんの正直な顔が、寒いって言ってるよ」


「ふご」


そう言って先輩は、寒さで赤くなっているであろう私の鼻の頭をつまんで、優しい笑顔を向けてくれるんだ。


ほら。

やっぱり先輩はこんなに優しい。

先輩を追っ掛け回してて、鬱陶しい(自覚あり)私なんかにもこうして優しくしてくれるんだよ?


先輩が居残り作業に加わらないのには、何か理由があるのかもしれない。


だけどきっと、話せば分かってくれるよね。


「あの…先輩!」


「ん?」


「き、今日から、放課後の居残り作業、手伝ってもらうこと出来ませんか!?」


先輩は一瞬目を見開くと、直ぐに無表情になって、


「それは、ピヨちゃん達と作業をするってこと?」


そう聞き返される。


「はい。実は、友野が部活に出なきゃいけないのを無理して作業をしてくれていて…。出来ればもう少し、部活の方にも行かせてあげられたらって思ってるんです」


「友野くん部活やってるんだ」
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