毎日だって好きって言うよ。

「でも、あれだ。ちょっと東阪先輩、見直しちゃった」


しーちゃんはようやく笑い終えると、目尻の涙を拭いながらそう言う。


「まさか、陽伊代の為とは思わなんだ」


「しーちゃんもう一回言って」


「は?」


「“陽伊代の為”ってトコ、ワンモワプリーズ」


「あんた今日輪をかけて面倒臭い。」



しーちゃんや、今日くらいは大目に見ておくれよ。


あの先輩が、


あ・の!!


悠太先輩が!!


私の為に動いてくれてたんだよ!?



水島 陽伊代。


今なら歌えます。


聴いて下さい。


【それは、愛】



「あんたひかれるよ」


「わぁぁぁ!?!?」


赤信号だというのに、横断歩道のど真ん中をステージにしていた私。


クラクションを鳴らす車達にヘコヘコと頭を下げながら、ようやく渡りきる。


あぶねー!

浮かれ過ぎて意識とんでたっ!!


「なんだよ。ひかれてしまえばよかったのに。」


しーちゃんドイヒーッ!!!!



「ところで、これから居残り作業はどうなんの?」


「あーうん。それなんだけどね…」
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