毎日だって好きって言うよ。
岸中先輩の振り上げた手が、私に振り下ろされることはなくて、
強く瞑っていた目をゆっくりと開けてみれば…
「悠太…先輩…?」
悠太先輩が、振り上げたままの岸中先輩の手首を掴んで立っていた。
「岸中。何やってるの?」
「ゆ…「ねぇ。何やってるの?」
悠太先輩の表情からは一切の感情も読み取れない。
その代わりに、悠太先輩に見下ろされている岸中先輩の表情がどんどん青冷めていくのが分かった。
「…べ、別に私達は…、ちょっとこの子と話してただけで…」
「ねぇ?」と他の女子達に同意を求める岸中先輩。
他の女子達は、慌てて頷く。
「ほ…ほら!悠太さ、この子に付き纏われて迷惑してたでしょ?だからね!やめなよって話してたの!そしたらこの子、急に掴みかかってきて!」
「…っなっ…!!」
こんのぉぉ!!
違うだろうがぁっ!
リンチしようとしてたのは、あなた達でしょー!?
「…へぇ。そっか。確かに、付き纏われるのは好きじゃないなぁ」
「!…で、でしょ!?」
「うん。だからさぁ…」