毎日だって好きって言うよ。
私だって、スタート地点に行きたいよ!
だけど、あの人混みに埋もれて先輩の有志を見逃すくらいなら大人しく応援席で観戦する方がマシ!
そんな事を思っていれば、隣のしーちゃんが眉を上下させながら目を凝らして、私の背中を叩いた。
「ねぇ!遠くてよく見えないけどさ、東阪先輩、あれアンカーなんじゃない?友野と並んでるよね」
「え!?ウソッ!?」
私も目を凝らしてスタート地点を確認すれば、しーちゃんの言う通り友野と並ぶ先輩の姿があって……
は!
今係の人から、アンカーのタスキ渡されてるっポイ!!
「悠太先輩、本当にアンカーだ…!」
「へぇー友野とアンカー!うっわ。面白くなりそう」
今日1番、活き活きした顔をしているしーちゃんとは裏腹に、私はある気持ちと葛藤していた。
「〜〜〜っ」
「どうしたの?陽伊代」
「しーちゃん!!私どうすればいい!?」
「は!?」
涙目でしーちゃんの両肩を掴んで揺さぶれば、しーちゃんの頭がガクンガクン揺れる。
「友野と悠太先輩!どっち応援したらいいの!?」
「やめろっ!揺さぶるなっ!落ち着けっ!」
恐れていた事態が起きてしまった。