毎日だって好きって言うよ。
ドクンドクンと激しく脈を打つのは、友野が抜かれてしまうんじゃないかとハラハラしてるから?
それとも、あと少しで悠太先輩が友野を抜いて1位に躍り出る。
そんな姿を思い描いてしまうから?
「友野っ…頑張れ!あと少し!」
当然しーちゃんは、友野を応援するけれど…。
もちろん、私も応援してるのは嘘じゃない。
だけど……。
悠太先輩が、友野と並ぶ。
グラウンド中が、熱気に包まれる。
さっき、しーちゃんに言われた通りだ。
“理屈じゃないのよ。きっと、応援しようとしなくたって応援しちゃう。
ダメだと分かってても好きになっちゃうのと一緒でね。”
どんなにダメだと思っても、目で追ってしまうのは悠太先輩。
どんなに綺麗事言ったって、心は誤魔化せなくて。
応援してしまうのは–––––
「…っ悠太先輩っ…!」
ゴールを知らせるピストル音がグラウンドに響き渡る。
「え?あれ?今のどっちが1位!?」
困惑しているしーちゃんが私を振り返る。
「……?陽伊代?
………ふ、何それ。ヒドイ顔」
涙でグチャグチャの私の顔を見て、しーちゃんが眉尻を下げて笑う。
「しーちゃん…私やっぱり、悠太先輩が好きっ…」