毎日だって好きって言うよ。

ドクンドクンと激しく脈を打つのは、友野が抜かれてしまうんじゃないかとハラハラしてるから?


それとも、あと少しで悠太先輩が友野を抜いて1位に躍り出る。


そんな姿を思い描いてしまうから?




「友野っ…頑張れ!あと少し!」


当然しーちゃんは、友野を応援するけれど…。


もちろん、私も応援してるのは嘘じゃない。


だけど……。



悠太先輩が、友野と並ぶ。


グラウンド中が、熱気に包まれる。




さっき、しーちゃんに言われた通りだ。


“理屈じゃないのよ。きっと、応援しようとしなくたって応援しちゃう。

ダメだと分かってても好きになっちゃうのと一緒でね。”



どんなにダメだと思っても、目で追ってしまうのは悠太先輩。


どんなに綺麗事言ったって、心は誤魔化せなくて。


応援してしまうのは–––––



「…っ悠太先輩っ…!」







ゴールを知らせるピストル音がグラウンドに響き渡る。




「え?あれ?今のどっちが1位!?」


困惑しているしーちゃんが私を振り返る。


「……?陽伊代?

………ふ、何それ。ヒドイ顔」


涙でグチャグチャの私の顔を見て、しーちゃんが眉尻を下げて笑う。


「しーちゃん…私やっぱり、悠太先輩が好きっ…」
< 178 / 364 >

この作品をシェア

pagetop