毎日だって好きって言うよ。

泣き出してしまいそうなのを、ギュウッと目を瞑って堪える。


身体が震えてくるのも、隠しようがなくて。


先輩の吐息が近くなってくるのを、ただただ身を硬ばらせて待つしかなかった。




私は、先輩の特別になりたいの!


もしこのまま先輩と何かあったら、私、先輩のお遊び相手と変わらなくなっちゃう!


そんなの嫌なのに……!!



「先輩っ!!やっぱり…!!!」






––––––––––ちゅ。






「……………は?」



先輩の温もりを感じたのは、当然唇になんかじゃなくて……


「おで…こ?」


ODEKOつまり、額。



「ご褒美、ごちそうさまでした」



そう言ってニッコリと私に微笑む悠太先輩は、 何だかとっても満足そう。


あー…なんだ。


これが、“ご褒美”ね。



「ピヨちゃん。なんか、妙な期待してなかった?」


「し、しししししてませんよ!?!?」



嘘です!してました!!

今なら恥ずかしくて死ねます!!


「そぉ?」


「えぇ!ハイ!これっぽっちも!!」



かくして、波乱の体育祭は無事(?)終了。


悠太先輩の意外な姿も見られたし、


本当に本当にほんとーにすこーしだけだけど、悠太先輩との心の距離が近くなった気が…する?
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