毎日だって好きって言うよ。
9♡特別になりたい
制服のシャツの上にはカーディガン。
更にその上からブレザーを羽織る。
更に更に、その上にはダッフルコートを羽織って。
手にはカイロ。
ついでにお腹にも貼るカイロ。
だけど、
それでも、
「寒ぅぅーーーーいぃぃぃ!!」
と感じる、本格的な冬の到来です。
「そう?そんな寒いなら教室戻ればいーのに」
「いや!ここは愛の力で乗り越えてみせます!!」
「そこ挑まなくてよくない?」
ある日の昼下がり、いつもの体育倉庫裏にて。
本に目を落としたまま、普段と何も変わらないクールな対応の先輩。
だけど最近、そんな悠太先輩にとある変化がみられるのです。
「ピヨちゃん。こっちおいで」
本から少し目を上げて、そう言う先輩。
きっ…来たっ!!!
いそいそと先輩に寄って行き、その隣にちょこんと正座する。
–––––––––ゴロン。
はうあっ‼︎‼︎‼︎
「うん。丁度いい枕。」
「〜〜〜っ!!」
「何で女子って寒いって言いながら足出してんの?
これで少しは暖かいんじゃない?」
先輩は、私の膝を枕にして、また本を読み出してしまった。