毎日だって好きって言うよ。
しーちゃんの使っているフォークが、テーブルに置かれた私の手スレスレに突き刺さり、身の危険を感じた私はテーブルに額をつけて、すぐさま土下座体勢。


殺られる。

しーちゃんに、殺られる。


「まぁ、そう怒るなって。陽伊代がやろうとしてるだけでも十分奇跡だろ?」


私と同じく唐揚げ丼を頬張る友野が、箸で私のことを差しながらしーちゃんを宥めてくれる。


「友野は陽伊代を甘やかし過ぎっ!甘やかすだけが愛だと思ったら大間違いなんだからね!」


「お前が厳しい分、俺は優しくしてんの。」


やっぱりこの2人の前世は、私のパパママに違いない。


教育の方向性を議論する夫婦みたいな2人を横目に、私はテーブルに項垂れ、プクッと頬を膨らませた。



別に、やる気がないわけじゃないもん。

むしろ、やる気だけは満々だし?

ただ、ちょっと…


「モチベーションがなぁ…」


「は?何?モチベーション?」


しーちゃんと友野が怪訝な顔で私の方を見る。


「そう。モチベーションがいまいち上がんないんだよね〜。普通みんなって何を糧に勉強してるわけ〜?」
< 22 / 364 >

この作品をシェア

pagetop