毎日だって好きって言うよ。
「……ふむ。モチベーションねぇ…」


しーちゃんは、何か考え深気に顎に手を当てている。


別に私は、勉強が嫌いなわけじゃないんだよ?


ただ、私の性格上、目的無しに行動するのが得意ではないらしい。


ただ単に、“勉強しなさい。勉強は大切なこと”と言われた所で「そっか!じゃあ勉強しなくちゃな!」とはならないのだ。


「でも、陽伊代ってこの高校に受かったわけだし、勉強が出来ないわけじゃないんだろ?一応ウチの高校、ここらじゃレベル高いのよ?」


「受験の時は、お小遣い10000円アップと、ずっと欲しかったゲーム機に、豪華家族旅行が掛かってたから…」


「お前、そんなん背負ってここ受験してたんか。」


をい。

呆れた顔をしてくれるな。

友野氏よ。


そういう目的があったからこそ、今私はここにいるのだよ。




あくびをしながら、意味もなく教科書をパラパラと捲っていると、


「何その落書きだらけの教科書。」


耳に心地よく響くその声に、私は勢いよく振り返った。


「悠太先輩!!」

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