毎日だって好きって言うよ。



「吐いたらちょっとスッキリしたな」


ベッドに横になった悠太先輩は、ふぅと息を吐きながら冷や汗を拭っている。


さっきより少し顔色がいい。


何とかトイレまで我慢してくれたおかげで、無事大惨事にはならず。


私は割れた食器を片付けて、また悠太先輩の部屋に戻ってきた。


「お粥…食べられそうですか?」


「ん。」


「熱いので気を付けてくださいね」


そう言ってお粥の入った器を渡すと、すぐに私はコートとカバンを持って立ち上がった。


だけど……


「どこ行くの」


そう呼び止められてしまう。


「……学校に戻ります」


そう言って、ドアノブに手をかければ、


「いなよ」


「え?」


「ここにいてよ」


真っ直ぐな瞳でそう言われてしまって……。


いつもだったら、絶対に浮かれてしまうような言葉なのに、今はただ胸が苦しい。


本当は、帰ってほしいくせに。


先輩は優しいから、私が泣いたせいで無理してくれてるんだ。


「…さっきのは…違うから」


「え?」


「別に、ピヨちゃんがお見舞いに来てくれたのが嫌だとか、そういうんじゃなくて……」


言い辛そうに口ごもる悠太先輩に、私は小首を傾げる。
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