毎日だって好きって言うよ。

「それ、幼稚園の時の話でしょ?“何々君大好きー”みたいな子供同士のやりとり」


「え!?」


「幼稚園の時、絢の間で一回マイブームが来てさ、あいつみんなに大好き大好き言ってたよ。それで、相手にも同じこと言わせるの。無理矢理。俺も何回も言わされた」


それって……。

私はてっきり……中学生とか、もっとものごころついてからの話だと……。


ってことはつまり?


私の完全なる早とちり……?



う…う…


「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


頭を抱え込んで、その場に蹲る私に悠太先輩は耳をふさいでいる。


「私……私……てっきり……悠太先輩も絢先輩も……相思相愛なのかもって……。私は悠太先輩のこと何も知らないし……悠太先輩の特別な人は絢先輩で……私がいくら頑張ろうと敵いっこないって……」


「まぁ、特別って言ったらそうなのかもしれないけど。それは女の子としてじゃなく、兄弟とか家族とか、断然そっちだから。絢だって間違いなくそう。じゃなきゃ、いくら熱あるとはいえ、男の部屋に他の子とふたりきりにするわけないでしょ?」
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