毎日だって好きって言うよ。
「ホント?わーい。じゃ、とびきり高いのにしよっと!」


「をい。」


「じゃー私行くね!友野バイバイ!」


片手を上げて見送る友野に、同じく片手を上げて、私は教室を出て図書室に向かった。










***


夢を見てた。


すっごく幸せな夢。




『ピヨちゃん?寝てるの?』



あ!

先輩だ!先輩だ!

夢の中でもカッコイイ!!



『…最近頑張ってるみたいじゃない。この間、何でか肥田先生に感謝されたよ。水島をやる気にさせてくれてありがとうって』


へへへ!

そうなんです!!

先輩からのご褒美の為なら、こんなもんですよ!

テストも絶対クリアしてみせますっ!


『まったく…。本当はあんな約束しておきながら、どうせ無理だろうと思ってたんだけどね。
失敗したピヨちゃんに、どうせ俺への想いなんてこの程度なんだよって突きつけてやるつもりだったんだけど…』



悠太先輩は、パラパラと私の手元の教科書を捲る。


『こんなに頑張るなんて、想定外だったな』


紙が重なる音が止んだかと思うと、こめかみあたりに酷く心地いい温もりを感じる。
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