毎日だって好きって言うよ。

「……いいんですか?」


「いいも何も、あれはちょっと俺も乗ってみたい」


……ということは……。


「悠太先輩…他の子と乗ったことないんですか?」


「ないよ。何が楽しくて好きでもない子とあんなの乗るの」


「え……」


それって……。


「ピヨちゃんだから一緒に乗りたいんでしょ」


「……っ」


こんなの変だ。


悠太先輩が、不自然なくらい甘い。


幸せで幸せでどうしようもないほど幸せなはずなのに……


何でなの?


それと同時に、ものすごく怖く感じてしまうのは。



「行こう。ピヨちゃん」








悠太先輩に手を引かれ、着いたのは観覧車乗り場。


この辺りの夜景を見る為に、カップル達が列を成していた。


「すごい……人ですね」


「いーよ。並ぼう」


いつもの悠太先輩なら絶対嫌がりそうなのに……。


どうしちゃったんだろ今日は。


違和感を抱きながらも、さっさと列の最後尾に並ぶ悠太先輩についていく。




20分くらい並んで、ようやく私達の順番が回ってくる。


うぅ。何だか緊張してきた……。


並んでいる間、悠太先輩は私の手を握ったまま何かを考えるように終始無言で、そしてどこか遠くを見ていて……。
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