毎日だって好きって言うよ。


また……それか……。


でも、今日の悠太先輩は違う。


今まで突き放されていたのとは、まるでわけが違くて、本当の本気の“拒絶”だ。


もしここで私が引けば、簡単に全てが終わってしまう。


それくらい悠太先輩の目は本気だった。



「……それは……悠太先輩のお母さんのせいですか?」


「え?」


「悠太先輩のお母さんのせいで、悠太先輩は誰かを本気で好きになることから、逃げてるんですよね?」


悠太先輩の作り笑顔が消える。


それと同時に、悠太先輩の瞳の中に暗い暗い影が現れた。


「知ってたの?…あぁ、絢達か」


諦めたように鼻で笑う悠太先輩。


いつもの悠太先輩の朗らかさはまるでなくて、刺々しいオーラを纏っている。


まるで、誰にも近寄らせないよう棘のついた殻に篭ってしまったみたいに。



「し、知らないふりをしていて、すみませんでした」


「……いいよ。知ってるなら話が早いし」


そう言って悠太先輩は足を組んで視線を窓の外へと移した。
< 305 / 364 >

この作品をシェア

pagetop