毎日だって好きって言うよ。
また……それか……。
でも、今日の悠太先輩は違う。
今まで突き放されていたのとは、まるでわけが違くて、本当の本気の“拒絶”だ。
もしここで私が引けば、簡単に全てが終わってしまう。
それくらい悠太先輩の目は本気だった。
「……それは……悠太先輩のお母さんのせいですか?」
「え?」
「悠太先輩のお母さんのせいで、悠太先輩は誰かを本気で好きになることから、逃げてるんですよね?」
悠太先輩の作り笑顔が消える。
それと同時に、悠太先輩の瞳の中に暗い暗い影が現れた。
「知ってたの?…あぁ、絢達か」
諦めたように鼻で笑う悠太先輩。
いつもの悠太先輩の朗らかさはまるでなくて、刺々しいオーラを纏っている。
まるで、誰にも近寄らせないよう棘のついた殻に篭ってしまったみたいに。
「し、知らないふりをしていて、すみませんでした」
「……いいよ。知ってるなら話が早いし」
そう言って悠太先輩は足を組んで視線を窓の外へと移した。