毎日だって好きって言うよ。

「俺さ、ピヨちゃんみたいな子って苦手なんだよね。恋は盲目ってよく言うけどさ、単に周りを見て見ぬふりしてるだけじゃん。それで誰かが傷ついていても、迷惑していてもお構いなしだろ?そういう子見てるとさ、母親と被るんだよね。俺と親父なんてどうでもよくなるほど、男に溺れて出て行ったあの人を思い出す」


悠太先輩は、淡々と、それでいてはっきりと言葉を紡いでいく。


「だからかな。俺を好きだとか付き合いたいだとか、俺に本気だって主張してくる子ほど滑稽に見えるんだよ。周りが見えていない恋なんて、他に目が移った途端、誰が傷付こうがお構いなしに今度はそっちに溺れ出す。あーこの子もそういう子なんだろうなって。頭が勝手にそう認識するわけ」


悠太先輩は、一度自嘲気味に笑うと暗い瞳を私に向ける。


「だったら。はなから俺を好きなわけじゃない、俺をアクセサリーくらいに思ってる子達の方がよっぽど胡散臭くなくていい。お互い必要な時だけ求め合う。その方が余計なことは考えなくていいし、よっぽど効率的だろ?」


悠太先輩は、今まで私といる時も、私に何度も告白をされている時も、いつもそんなことを思っていたのだろうか。
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