毎日だって好きって言うよ。

あれからというもの、何をするにも全くやる気が起こらない。


今まで当たり前のようにやっていたことが全て億劫に感じて、見るもの聴くもの全てが色を失ったみたいに色褪せて、今まで生きてきた世界とはまるで別の世界みたい。


そんな中、今日新学期を迎える。


学校に行かなきゃいけない。


学校には、悠太先輩との思い出が沢山ある。


それに、もちろん悠太先輩もいる。


それを思うと、悠太先輩の顔が浮かんで、言葉が浮かんで、どうしたって胸が張り裂けそうになって、また涙が出そうになってくる。


それを堪えるのにも、もう疲れた……。


「お母さん」


「なに?」


「転校したい」


「冗談は顔だけにしなさい」


「……」


ひどい。

ひどいぜ。母よ。


もっとあるだろホラ。

“学校で何かあったの?”とかさ。



「リアルベイ○ックスな体型しやがって……」


「あ"!?」


「何でもありません」


やっぱり味の感じない朝食を無理矢理かきこんで、私は逃げるように家を出た。






「あ」


「よ。おはようさん」


家の門を出ると、私に向けて片手を上げる友野の姿があった。
< 314 / 364 >

この作品をシェア

pagetop