毎日だって好きって言うよ。
なんだ……。
やっぱりただの夢だったんだ。
私はてっきり……
「さっき、誰だと思った?」
「……え?」
その声に顔を向ければ、友野はじっと私を見詰めていた。
見透かしているような友野のその瞳に、握り締めた手がじっとりと汗ばむ。
「……ごめん。なんか、あり得ない夢見て…」
「……どんな夢?」
何で友野はそんなことを聞くんだろう?
聞いたって、いい返答が返ってこないことなんて分かってるんでしょ?
それなのに友野は、まるで何かを覚悟したかのように私の言葉を待ってる。
そんな風にされたらさ、私はバカだから甘えちゃうんだよ……。
「……悠太先輩が……笑ってくれた…夢」
そう言った瞬間、言葉と一緒に一筋の涙が私の頬を伝う。
私は、気付いてしまった。
倒れる前に、ハッキリと。
私にとっての幸せが何かを––––。
私にとっての幸せは、誰かに大切にされることなんかじゃない。
私にとっての幸せは、
“悠太先輩を好きでいられること。”
“悠太先輩に大好きだって伝えられること。”
“悠太先輩の側で笑っていられること。”
他に何もいらない。
それが、私の全て。