毎日だって好きって言うよ。

「悠太はとっくに、もう“愛”が何か気付いてるはずだよ」


「……っ!」



––––––気が付けば、走り出していた。


「あ!そうそう!悠太ーーーっ!!屋上探すの忘れてたーーーっ!!!」


そう叫ぶ、絢の白々しい演技にも気付かないほど、俺の頭の中はピヨちゃんでいっぱいで……。


一歩踏み出すたびに考えてた。


この気持ちをどう伝えればいいのか。


どうやったら信じてもらえるのか。


君はどう伝えていたか……。



「っはぁ…屋上とか……最初に探せよっ…」



切れる息も。


焼けるように痛む喉も。


限界を超えて痛む足も。


全部彼女の為だと思うと、少しも苦じゃなかった。



あー。

もう俺、本当どうにかしてるな。


こんなの全然俺らしくない。


こんなに必死になって、かっこ悪ぃ。


でも…


だけど…




そんなのもう、どうでもいいや。







–––––––バンッ!


「…っはぁっ…はぁっ…」


屋上へのドアを勢いよく開ければ、眼前には薄い青の空。


息を整えながら目を凝らせば、その真ん中で……



「……いた……」



ピヨちゃんが……


ラジオ体操を踊っている。



……は?


ラジオ体操?

< 349 / 364 >

この作品をシェア

pagetop