毎日だって好きって言うよ。

「あ!悠太先輩!!早かったですね!!」


「……え?ピヨちゃん…?え?」


遥かに予想を裏切る展開に、俺の思考回路はまるでついていけてない。


ちょっと待てよ。

うん。

見付けられたのはよかった。

ここまではよしとしよう。


いや、でも…普通ここはもっと、切なげな表情で空を見上げてる……とか、そういうシーンじゃないのか?


え?

てか待て。


これはもしかして……ハメられた……?


「悠太先輩?大丈夫ですか?」


頭を抱えて屈み込む俺の顔をピヨちゃんは心配そうに覗き込む。


「そういえば、高梨先輩と絢先輩は?悠太先輩を呼びに行ってもらったんですけど……」


不思議そうに辺りを見回すピヨちゃん。


くそっ…あいつらの独断かっ……。

俺としたことが……まんまと騙された。


そんな俺の様子に、ピヨちゃんは申し訳なさそうに眉を下げる。


「悠太先輩…あの…ごめんなさい。付き纏うなって言われたのに……」


「……何?何か用事?」


完全にタイミングを失った俺の中に“余裕”なんてものは残っていなくて、当たりがキツイと分かっていながらもコントロールが効かない。
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