毎日だって好きって言うよ。

“その一歩が怖いのは君だけじゃない”そう思って。


一緒に踏み出せば、怖くないと思って…–––。



「今度は、私が悠太先輩の背中を押す番です。
一緒に一歩を踏み出します」


ああ…


そうか……。


きっと俺らは、最初から惹かれ合っていたんだ。


磁石のように、引き寄せあって、手を取り一歩を踏み出す為に出逢うべくして出逢った。


“運命”なんて、そんな言葉を信じるような柄じゃないけど、ちょっとこれは……やばいな。


信じるしかないだろ。


だってさ?


母さんがいなくなったあの日から、何年もの間冷めたく氷ついていた俺の心が、


こんなにも簡単に、溶かされていくんだから……––––。




俺の腰に回された彼女の腕を、そっと剥がす。


向き合うように身体の向きを変えれば、涙をいっぱい溜めた彼女の瞳が驚いたように俺を見上げて……


「悠太…先ぱ……」


俺を呼ぶ彼女の言葉を遮るように、俺はその唇に



キスをした。


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