毎日だって好きって言うよ。
「さっき駅の所で売ってた。ピヨちゃんに似てるなーって思ったら、なんか売れ残ったら可哀想な気がしてきちゃって。つい買っちゃったんだよね」
「……っ」
カボチャお化けのクッキーをまじまじと眺めながら、先輩はそんなことを言う。
売れ残る程(てい)ですか!ってツッコミを入れようかと思った。
だけど、私の中はそれどころじゃなくて…。
私がいない時に、悠太先輩が私のことを考えてくれている。
その事実が凄く、凄く嬉しくて…。
「悠太先輩…。悠太先輩大好きですっ…」
悠太先輩が嫌がるのを分かっていても、悠太先輩への告白を今日も口にしてしまう。
全く、自分でも懲りないな、と思う。
だけど、悠太先輩への“好き”って気持ちは、留まることを知らなくて、
ふとした時に溢れ出してきてしまうんだから、仕方ない。
「全く…。今日はピヨちゃんはあげる側じゃないでしょ」
誕生日だからかな。
悠太先輩は、いつもみたいに突き放したりはしなくて、
それどころか、どこか呆れたように零した笑顔は、凄く凄く優しいもので…。
「おめでと。ピヨちゃん」
そう言って先輩は私の右手を取り、その上にカボチャお化けのクッキーを乗せた。