毎日だって好きって言うよ。

「さっき駅の所で売ってた。ピヨちゃんに似てるなーって思ったら、なんか売れ残ったら可哀想な気がしてきちゃって。つい買っちゃったんだよね」


「……っ」


カボチャお化けのクッキーをまじまじと眺めながら、先輩はそんなことを言う。


売れ残る程(てい)ですか!ってツッコミを入れようかと思った。


だけど、私の中はそれどころじゃなくて…。



私がいない時に、悠太先輩が私のことを考えてくれている。


その事実が凄く、凄く嬉しくて…。




「悠太先輩…。悠太先輩大好きですっ…」



悠太先輩が嫌がるのを分かっていても、悠太先輩への告白を今日も口にしてしまう。



全く、自分でも懲りないな、と思う。


だけど、悠太先輩への“好き”って気持ちは、留まることを知らなくて、

ふとした時に溢れ出してきてしまうんだから、仕方ない。



「全く…。今日はピヨちゃんはあげる側じゃないでしょ」



誕生日だからかな。


悠太先輩は、いつもみたいに突き放したりはしなくて、


それどころか、どこか呆れたように零した笑顔は、凄く凄く優しいもので…。



「おめでと。ピヨちゃん」



そう言って先輩は私の右手を取り、その上にカボチャお化けのクッキーを乗せた。
< 64 / 364 >

この作品をシェア

pagetop