毎日だって好きって言うよ。
そんなことを思いながら悠太先輩を見詰めていれば、先輩と目が合ってしまって…
「何ピヨちゃん。まだ、物足りなそうだね?」
と悠太先輩は見透かしたように微笑む。
「もっ…物足りなくなんかないですっ!凄く美味しかったですし、まさかこうして会えるとは思ってもみなかったので、嬉しくて嬉しくて仕方ないんですっ!
今日は、本当に何から何まで、ありがとうございました!」
「ふ。どういたしまして。
まぁでも、そういうことじゃなくてね?」
「?」
伸びてくる悠太先輩の大きな手。
その手は私の片方の頬に添えられ、逃げ道を奪う。
「悠太先輩…?」
跳ねる心臓。
何が起きているのか、理解出来ないまま悠太先輩を見上げれば、
––––––––ガブリ
「ひゃ!?!?」
悠太先輩の吐息が耳に掛かる。
甘い痛みに反射的に身を竦めると、どこから出てきたのか分からない素っ頓狂な声が、閑静な住宅街の中のしがない路地に響き渡って、
片方の手は、左の耳に。
もう片方の手は口をガッチリと覆ったまま、目の前でニヒルな笑みを浮かべる相変わらず物凄く整った顔の彼をフリーズしたまま凝視した。