毎日だって好きって言うよ。

噂通り、悠太先輩は私みたいに本気でお付き合いを求めている者に対して、容赦なく拒絶を示す。


告白しても、告白しても、受け入れてはくれないのだ。



先輩は、ふーっと大きく息を吐きながら地べたに座って空を仰ぐ。


先輩の柔らかそうな茶色い髪が、秋風に吹かれてふわっと舞う。


うーわ…。

綺麗…。


その姿はまるで絵の中にいるみたいだ。


その光景に、時間が止まったように釘付けになっていれば、視線を感じたのか、先輩は私の方にコテッと首を傾けて、



「で?」


と鋭い視線を向けてくる。


「今日こそ諦めてくれた?」


そう聞かれ、目を瞬かせていると、


「はー。んなわけないか。きっと君は、明日も明後日も来るんだろうね」


そう言って先輩は、諦めにも似た溜息をついて苦笑する。


「当たり前田のクラッカーです。」


「急に昭和を臭わせないでくれる?」



愚問。

そんなの当たり前じゃないか。

ここで諦めた所で、何の意味があるって言うの?


諦めたらそこで試合終了だよ。


って誰のセリフだったかな。
< 7 / 364 >

この作品をシェア

pagetop