親友の死、コトバは罪より重い(アメリカイヌホオズキ)
過去
今から約、半年前
七月の初旬の出来事だった。
*
『沙耶が帰ってこないの!!』
おばさんから連絡を受けて私は必死に走って辛い坂道など気にすることなく学校に辿り着いた。
裏庭にはたくさんの人集り
その中から潜り抜けて私が目にしたのは…
裏庭で頭から血を流しながら倒れている親友の姿だった。
顔色も体も真っ青で、いつも明るい親友とは思えないほど酷い状態だった。
「沙耶っ!…沙耶ぁぁ!!」
私は沙耶に駆け寄りたかった。でも警察の人や先生達に止められて沙耶の傍に行けなくて悔しかった。
「離してっ!!沙耶ぁぁあ!!!」
私の涙声と共に響く叫びは、きっと興味本位で現場を見ている人にとっては迷惑にしか聞こえないかもしれない。
でも関係無いなら、好奇心とかで集まって写真とか動画とか撮ってほしくない。
沙耶は芸能人でもない普通の女子中学生なのだから…。
ねぇ、沙耶…
どうして裏庭で頭から血を流して倒れているの?非常階段から落ちたの?
人気の少ない裏庭で沙耶の身に一体何があったというの??
これは単なる事故?
それとも自殺?
それとも…他殺?
「…っ…沙耶っ!!」
私を止めようとする警察や先生の力を振り切る力が無くなり私は膝をついた。
ボロボロと涙が地面に落ちていく。
ストレッチャーで運ばれる沙耶の様子を見る限りだと沙耶はもう助からないんじゃないかって思った。
微かに見えた心電図の数字を見て私は悟ってしまったのだ。
私は、この夏に、親友を失った。