親友の死、コトバは罪より重い(アメリカイヌホオズキ)
初耳だった。
樺山さんって帰宅部って聞いてたし、放課後ゲームセンターとかで遊び呆けてるって内海さんから聞いた事があったから。
「残念だけど私は一年の時に三ヶ月しかバスケ部じゃなかったからヒントには当てはまらないの。あんたと違ってね」
「練習がキツくて退部したんでしょう?今でもバスケが好きな癖に」
「そうだとしても私が沙耶を殺す動機は何?何もないんだけど」
「私だってない」
「成績が抜かれそうになってたじゃない!!」
「それだけで人を殺すなんて馬鹿な人がする事よ。私は関係ないわ」
さっきから気になってたんだけど
天城さんと樺山さんって、どっちも名前で呼び合ってるよね?
もしかして小学校が同じだったのかな?少なくとも私は一緒じゃなかった。
三つの区が、この中学に集まってるから誰が同じ小学校出身なのかは話さない限りわからない。
沙耶と梶谷さんとも一緒じゃなかった。
ちなみに内海さんとは同じ小学校出身だけど何故か苗字呼びしてるんだよね。
内海さんは名前で呼んでくれるのに。
あと、神谷くんと山本くんも同じ。
「比呂乃、話はそれだけ?なら教室に戻るから」
ヤバい。
天城さんが屋上を出れば私がいる事がバレてしまう。
背中に冷や汗が…
「待ちなよ!この人殺しが!!」
樺山さんの過激な一言に天城さんは足を止めた。
バレなくてセーフ…。だけど天城さんをハッキリと人殺し呼ばわりするなんて、強気すぎるよ樺山さん。
「証拠も無いのに人殺し呼ばわりされるなんて心外」
「加藤は尾崎の件に怯えていなくなった今、次は恭子!あんたの番なんだからね」
背を向けている天城さんの表情は見えないけど樺山さんはニヤリと笑っていた
もう…駄目だ。
この空気には耐えられない。
私は二人にバレないように階段を下りた