親友の死、コトバは罪より重い(アメリカイヌホオズキ)


「どうして山本くんが?」


「それはこっちの台詞だ。ちなみに俺はこのマンションに住んでんだよ」


「そ、そうなんだ…」


あれ?山本くんって私と近所だったはずなんだけど引っ越しでもしたのかな?


「加藤に会いに来たのか?」


「う、うん。宿題届けに」


「ほっとけよ、あんな奴」


沙耶の事が好きだった山本くんにとってはどうしても犯人が許せなくて、少しでも疑いがあれば追い詰める


「それより日比野、鞄から教科書とか飛び出してるぞ」


「え?…あ!本当だ!!」


ぶつかった衝撃に鞄落としたんだ。

しかも閉めてなかった…。


「ほらよ」


「ありがとう。手伝ってくれて」


教科書だけじゃなくて筆箱や高校のパンフレットなと、ほとんど道に飛び出していた。


「日比野…本当に桜坂高校を受験するんだな」


山本くんの手には桜坂高校のパンフレットを持っていて私に渡してくれた


「あ、うん。そうだよ」


「蒼井から聞いてたけどさ…お前、榛昇高校を狙ってなかったか?」


「変えたの。桜坂高校の制服とか可愛いしね」


山本くんのおかげて散らばった教科書とかを鞄にしまう事が出来た。


「梶谷がいるから…とかの理由じゃなくてか?」


「…!?……それは違うよ」


「ふーん」


山本くんって侮れないなぁ。


「山本くんはどこ受験するの?」


「俺は相羽高校。内海と水谷と蒼井と一緒だ」


「え?蒼井くんも?」


「だろ?俺も吃驚した。アイツならもっと上目指せるはずなのにさ。倍率が恐ろしい」


「大丈夫だよ。四人とも成績が悪いわけじゃないんだからさ」


「蒼井が強敵だ。アイツなら主席も取れそうだろ?」


それは否定しない。


「そんじゃ、気いつけて帰れよ日比野」


「うん。バイバイ」


山本くんと、こんなに喋ったの久しぶりかもしれない。中学に入ってから話す回数が少なくなってたんだよね…。


中学生って難しい年頃だからって、お母さんがよく言っていた。


壁にぶち当たり、その葛藤を乗り越える事が出来たら青春を楽しめるって。


私に、青春って、あるのかな??


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