家政婦だって、恋したい
"恋人"がそうさせているのか、いつもと違う場所だからなのか、
こういう、少し砕けた結衣の表情は新鮮だった。
「別に、一緒に入ってやらなくもないが?」
俺は又もや、意地悪く笑いながらからかう。
「い、いいえ、結構ですっ!碧斗さんは、お部屋のお風呂を堪能しておいてください!私は大浴場に行って参りますのでっ!」
そう言って結局、結衣は逃げるように大浴場に行ってしまった。
(別にあそこまで怒らなくていいだろうに。)
俺は、先程の結衣の膨れっ面を思い出し、ふっと笑う。
そして、言われた通りに、部屋の露天風呂に入ることにした。