家政婦だって、恋したい




檜の湯船に浸かりながら目を閉じ、

こんなにゆっくり風呂に入ったのは何時ぶりかと考える。






14歳の時、俺の世界ががらりと変わり、

それから心休める時なんて、1日たりともなかった。






恋愛という人生で一番不必要なモノを取り除き、


長男として、何れは父の跡を継がなければいけない俺は、
世間一般では年頃の男だというのに、遊ぶことも厭わず、日々勉強に慎んでいたし、

父が脳梗塞で倒れ、後遺症が残ったとき、まだ働けると言い張る父を説得し、今の座に就いたあとは、若造の俺が父の変わりに成れるわけもなく、以前よりも寝ずに仕事に励んだ。






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