家政婦だって、恋したい





出会ってすぐに「道具以下」と言われたときは、正直怖かったし、

私の反応を見て笑う碧斗さんを見て、なんて失礼な人なんだと思ったけれど、



私の料理を美味しいと言って破顔したあの顔は今でも忘れられないし、

拓哉さんと碧斗さんが、本当の兄弟のように話しているのを近くで見つめているのは、微笑ましかった。






緑花が以前、
「兄さんは特定の人を作らない遊び人だ」と言っていたけれど、

私が見てきたこの1ヶ月では、そんな姿は一度も見られなかったし、

何よりも仕事が大好きな、仕事人間なのだろうと思った程だった。





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