家政婦だって、恋したい


「結衣さん。」

歩き出そうとする私を麗奈さんが呼び止めたため、私はその場に立ち止まる事となる。



「少しお話したいことがあるんだけれど、お時間くださらない?」

「はい、構いませんが٠٠٠?」


「ありがとう。では、ロビーで待っていて下さる?これ置いてきちゃうから。」

そう言って麗奈さんは持っている座布団の山を少し持ち上げて見せた。

「わかりました。」






ロビーで待つこと5分。




「ごめんなさいね!急に呼び止めちゃって٠٠٠」

ロビーのソファに腰掛け、ぼんやりと鯉が泳ぐ池を眺めながら待っていると、

麗奈さんが、慌ててやって来た。




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